ミャンマー植林プロジェクト

NGO/国際ボランティア支援 ANJING

　「ミャンマー」・・最近までビルマと言っていた懐かしい国名が、つい2～3年前からオイスカ広報誌に時折掲載されるようになりました。昭和ひと桁生まれの私にとって小学生の頃は、大平洋戦争に明け暮れていた時でもあり、緒戦のはなばなしい勝ち戦の報道の中に、そのビルマがありました。そして戦後は、無謀だったインパール作戦を知り、竹山道雄著の「ビルマの竪琴」を読み深く感銘を覚え、いわば私にとって、少年から青年期の入り口にさしかかる時代に関心を持った国と言えるでしょう。
　そこで今回、私が同行したツアーは、ミャンマー北西部のイラワジ川畔における「植林と親善」を目的としたものでした。参加者は総勢31名で、18才の女子学生から77才になる元兵士までと、実に幅広い年齢層の人たちが集まりました。
　植林をするこの地方は、ミャンマーでも有名なドライ・ゾーンであり低い潅木が点在しているだけの殺伐とした土地でした。植えた場所は、その潅木が地を這うような荒地と、すでにトウモロコシや落花生ゴマ等が植えてあるものの、畑とは名ばかりの赤茶けた土地でした。植林の対象となった木は「インド・センダン」という日本ではあまり見かけない木と、アカシアの2種類の苗木でした。
　2日間にわたり約1万本を植林しましたが、近隣3ケ村の150名もの老若男女、子供たちが協力してくれたおかげで、作業もスムーズに運びました。炎天下、したたる汗を拭きながらミャンマーの人たちと共に一生懸命に共同作業に取り組んでいるツアーの人たちに姿は、本当に美しくもあり、心打たれるものがありました。
　一方、親善の方も、この地方のパコク県の県知事への表敬訪問をはじめ、幼稚園小学校といった教育現場を訪問し交流を深めました。バガンジー小学校では、子供たちがあどけない顔で懸命に歌って踊って歓迎してくれました。
　この度のツアーでは、オイスカ研修センターに3泊したのですが、宿泊施設が未完成だった事もあり、冷房や温水などの設備はおろか、電灯もまだありませんでした。勿論テレビもなく、洗濯は自らゴシゴシと洗い場でこすり、それは現在の文明生活からタイムスリップしたような日々を過ごしました。その反面、こぼれんばかりの満天の星の輝き、それにあちこちに見られるパゴダの風景など、日本では決して見られない見事なものがありました。また、それにも増して観光ずれしていない現地のミャンマー人の素朴で純真な人柄、人情こまやかな人なつっこい人間味あふれる人たちと接した事の方が、より大きな感動を覚え感激いたしました。

5年間に渡る支援と成果に対し、県知事さんから感謝状をいただきました。

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