 熱帯雨林と思われた地域は、上空から見る限り、大きく曲がった河川び白砂と黄砂の帯が長く伸びていて、機体は、その砂漠の中に降りた感じであった。バガンの仏教遺跡は、聞きしにまさるパゴダの林立で、それがさらに乾いた土地を強調しているように見えた。バスを乗り継ぎ、ボートはイラワジ川を2時間余り遡り、パコックの小さな港に着いた。この辺りで川幅は3〜4キロメートルはあろうか。雨期とあって川岸は深く、川面にはホテイソウがあちこちに浮かび流れ、かなり増水して豊かな水量である。その一方で、植林地は雨量が少なく、全くの乾いた自然で、砂漠特有の低木がまばらに生えた、レキまじりの土地である。その中にわずかに耕作地が点在するが、レキ土では成長はままならない様子である。豊かなイラワジ川から直線で3キロメートル程ではあるが、水路を引くにも経済力が伴わない。天水に命を任せる生活は厳しい。
植林地では、県知事、地元生徒、現地民を交えて開会のセレモニーに始まり、共同作業で植林は進められた。センダン、ネムノキなど、2日間で4,000本あまりを植林した。夕方の意見交換会の後で聞いたことであるが、現地民にとって、植林の必要性は分かっていても、飲み水さえ事欠くのに、 ｢苗木に水をやるのはもったいない」と言うことに理解せざるを得ない。思えば、あのパガンの土地を埋める程のパゴダ建築には、レンガを焼くために想像を越えた樹木の伐採が行われたことが考えられる。万里の長城建設もまた同様で、現地では砂漠化の進行に気をもむ人も多い。過去の人類の歩みを紐解きながら、過ちを繰り返さないように心がけるべきであろう。
ベトナム植林地のリーニョン村も、かつて、枯葉剤で不毛の地と化した土地であり、これまた、人の成せる自然破壊である。水は人々の生活にとって不可欠の資源であり、生命の根源である。大規模の森林破壊は、地域の気候さえ変える。文化の遺産、技術的遺産が、森林破壊、都市の衰亡、そして貧困い結びついたとすれば、悲しいことである。今回のささやかな植林が、今後の樹木形成の一助となることを願わずにはいられない。
現地を体験して思うには、あまりにも短かったが、現実の一端に触れたことは、老いても感じることは多かった。貴重な体験として温めておきたいと思う。 |
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| 「子供の森」計画の支援校を訪れました。外国人が集団で訪れる事などほとんどないので、結構ビックリしていました。 |
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| 小学校の校長先生。日本から持参したささやかな品（ノート、鉛筆、ボールなど）をプレゼントしました。 |
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最後まで読んでくださってありがとうございましたm(_ _)m
このツアーは、一般的に旅行会社が募集しているパッケージ・ツアーとは、一線を画したユニークなものでした。残念ながら「子供の森」計画としての支援は、ミャンマー政府との5年契約が満了しました。その代わり、現在は「東京ミャンマー会」主催で、同様のツアーを企画・催行しています。拠点がシャン州に移った事、孤児支援に重点を置く（植林も行います）など、これまでと多少の違いはありますが、さらにユニークで心に残る貴重な体験をしていただけるツアーではないかと思っています。 |
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| 今日現在、私たちは植林ボランティアツアー募集は行っていませんが、私たちの最大のパートナーであるNGO「OISCA」と「PING LONG」が募集しています。詳細はこちらをご覧ください。 |
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